カタ「る映画への」オモイ

毎月定期的に大阪で開催される映画を語る会の記録ページです。

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2月20日ワイルドバンチ開催会で語られた映画

アントマン


話者曰く『放射能X』から連綿と続く怪獣映画だそうだ。その文脈から観ると、この映画の主人公はハンクピムであり、「奥さんを奪った」アメリカに対する彼の復讐の物語である。この映画に登場する怪獣“も”蟻だ。この映画に登場する蟻はすべてアメリカにとって外来種だ。彼が用いる戦車ストラップもソ連製である。今作でアントマンになるスコット・ラングの相棒になる蟻「Carpenter ant」は字幕では、アメリカの蟻になっているが、本来は日本のクロオオアリのこと。

アントマン&ワスプ


最後にドライブインシアターで上映されるのは『放射能X』。カモメに蟻を喰わせても悲しまないので、蟻に対する愛情が感じられないのが残念。量子世界に突撃していくシーンはもうまんま『ミクロの決死圏』。アントマンが中途半端に巨大化し、海から現れるのは『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』!

 

ジョン・ウィック』『ジョン・ウィック2』


アクションがスゴいと語られがちだが、アクション抜きでもスゴい。暗殺者ギルドは、命のやり取りを生業にしているからこそ、厳しい規律が存在している。同業者から恐れられる「依頼された殺しは絶対やり遂げる」執念で、暗殺者ギルドにおいて絶対の信頼を勝ち取ってきたジョン・ウィックは、死んだ奥さんへの愛という自分も他人も巻き込む爆弾を抱えている。もしかしたらこれはワークライフバランスについての映画なのではないか? 暗殺者ギルドの関係者とジョン・ウィックの粋なやり取りも魅力。

 

イコライザー


元凄腕CIAエージェントのロバート・マッコールさんが、CIA職員の若い職員を助けたり、太ってる男の子の特訓に付き合ったり、目についた困っている人を助ける心暖まる話。ま、助ける過程で「殺人マシン」になって悪の組織を皆殺しにしたりもするけれども。

 

わたしたちの家


新しい恋人と結婚すると母が言い出したことで、いなくなった父親と向き合わざるえなくなった娘の生活と、過去を持たない女と過去に拘る女のルームシェアが、同じひとつの家で展開される不思議な話。よく観るとこの娘の葛藤がもうひとつの世界のふたりの行動にリンクしている。実はピクサー映画の『インサイド・ヘッド』と同じ構造では?

 

15時17分、パリ行き


映画は、シーン(場面)の纏まりだ。この映画には「何観せられてんだ」と思えてくる旅行シーンがある。早まってはいけない。このシーンもある英雄行為に至る道のりに必要なのだ。主人公たちの人生はその時々で見れば失敗で無意味に見える。しかし無意味思えた失敗があったから英雄行為が可能だったのだ、という運命論的因果律の物語がめっちゃ宗教大国アメリカっぽい件。